校長室

校長室

ぶち抜き

本校には、移動壁をしまうと大きなスペースが出現する構造があります。普段は壁で二つの会議室に区切って使っている場所も

こんな風に真ん中の壁を取り払うと、ぶち抜きの大空間が出現します。

放課後、このぶち抜き空間に3年生が続々と集まり(80名は超えているよう)受験対策指導を受けています。

タイトルは「合格する小論文とは」。小論文はこれまでも指導を受けてきていますが、今日はそれの総仕上げ講座です。高校生が実際に書いた小論文を呈示し、採点のポイントなどを詳述していきます。

ぶち抜き教室に80名。実に3年生の3分の1が小論文を利用する受験を考えているということです。大学は教科学力以外にも、小論文などの論述力・論理構成力などを重視してきているんですね。受験も社会趨勢に合わせどんどん変化しています。

3年生と一緒に講義を受けて、小論文の善し悪しは、まず、どんな具体例が呈示できるかが鍵になるなと思いました。添削された例を見ると個人的な体験や想いに論拠するため、論理展開や考察が卑近・矮小となり点数が伸びない。

社会的な視点をどれだけ培うか(事実を知っているだけでも違う)、個人をぶち抜いた社会的思考・社会的体験がますます重要になってきますね。

 

天気の子

県高等学校新人登山大会が猫魔ヶ岳・雄国沼山域で9月22日~24日に開催されました。私は23日~24日と観戦してきました。以前に書いたように(「18年ぶり(その1)」参照)同じコースを登り、選手の試合運び(登山行動)を見ることが登山大会の観戦です。

23日。天気は熱帯低気圧から発達した台風の影響で朝から少雨です。雨天行動技術を見るには絶好の天候。

雄子沢登山口から雄国沼に向かう途中の休憩。選手諸君は読図に余念がありません。

ちなみに、写真の地点は2万5千分の1地形図でAの地点です。行動中にBの地点で読図課題が出されました。1ミリ(実際の25メートル)ずれると正解とは見なされません。

雄国沼を通過中。小雨は続いています。

猫魔ヶ岳(標高1403.6m)の三角点ピーク。登山隊長は雨の中、無線の入るピークで待機し、隊全体の指揮を執ります。

三角点ピークと看板表示のあるピークが同じとは限りません。猫魔ヶ岳の看板ピークは三角点ピークから東に10メートルほどずれたところ(地図上では0.5ミリ)にあります。ずれた理由は展望でしょうね。猪苗代湖が見える休憩しやすい場所に看板が置かれています。山は「映える」ポイントが大事なんですね。

読図採点の様子。本校は1ミリ西にずれていたようで、「惜しいね~」とのこと。

装備チェックを受ける本校パーティ。仮にビバーク(不時露営)となっても1晩過ごせるだけの装備がザックには入っています。山に行くときには高校山岳部経験者がいると安心ですよ。

24日。閉会式。

昨夜から降り続く雨のため室内にて開催。技術委員長より、天気図作成や読図、装備等について指導を受けています。これから、各校の秋~冬の合宿で学んでほしいことが満載でした。来年の県大会で成長した姿を見るのが楽しみです。

閉会式後、とある高校の顧問(昔私が教えた選手)が近づいてきて、「中野先生が来るようになって、大会が雨模様なんですけど(笑)」と。そういえば、彼と登った山で雨具を使わなかった山行は数えるほどしかありません。「雨男ですよね、先生」。聞くと、私が観戦しなかった初日(22日)は、雨に遭わず行動できたそうです。

映画「天気の子」のヒロイン天野陽菜は「祈るだけで晴れにできる力を持つ少女」という設定ですが、私は「祈らずとも雨にできる力を持つ中高年」のようです。パワー的には彼女より数段上です。なんと言っても、祈らなくても雨になるんですから。

解散後、福島に戻る土湯の道で、みるみる回復していく空模様をみながら、「存在が雨」ってなに? そんな哲学めいた命題を考えていました(笑)。

3人4脚?

9月27日朝、本校昇降口に一台のバスが…

その脇を生徒は怪訝そうな顔で通過していきます。それもそのはず、今日は2学期中間考査2日目。バスに乗ってどこかへ出かける企画があるはずがない。

バスに乗るのは、保護者の皆さんと本校教員。これからPTA主催の大学訪問で、福島大学、会津大学を巡ります。

大学進学は保護者の皆さんの理解があって叶うもの。生徒、保護者、教員がしっかりスクラム組んで目指さなければなりません。3人4脚?いえいえ、肩さえ組めば、足は結ばない方が速いに決まってます。3人6脚でフットワーク軽く行きましょう。

いってらっしゃ~い(やはり生徒は怪訝そう)

具体的に説明しなさい。

「傍線部Aとはどういうことか、具体的に説明しなさい。」国語の記述問題によく出てくるフレーズですね。

さて、9月22日午後、一台のバスが駐車場で生徒の乗り込みを待っていました。

以前に、こちらで紹介した放射線教育(「ドラえもんとエヴァンゲリオン」参照)のフィールドワークとして、飯舘村長泥地区視察に向かうバスです。実際に農地造成盛土エリアを見学し、机上の学びと実際を具体的に関連づけることができたでしょうか。

一方、一年生の午後は

本校OBの高橋さん(上段:市役所勤務)と菊田さん(下段:県立医大病院勤務)のお二人をお招きして、「さまざまな職業人に聞く」と題して、公務員や放射線技師のお仕事の様子をうかがいました。なんと、お二人とも高校時代はサッカー部所属。校是「文武両道」を実践してきた先輩の具体的なお話に、興味津々です。

机上の学びを具体化していく、東高の実践です。

お豆腐

正面玄関の脇にす座り込んでいる生徒がいます。あれ?何をしてるのだろうと近寄ってみると

美術選択の生徒が、キャンバスに木炭でデッサンをしているところでした。遠近法大活躍の様子。

黒い枠のような物を手に持ち、しきりに覗いているので何かなと思ったら、デザインスケールという秘密兵器。私は高校時代美術選択でしたが、こんなのなかったなあ。あればもっと上手に描けたはず(ということにしておこう)。

スケール覗いて直線でビシビシ描けば、コンクリートでできている校舎は無機質で硬質な絵になりそうですが、この生徒の描く校舎は丸くて、柔らかいお豆腐のよう。逆に、絵を見てから校舎を見上げると、どことなく丸く見えてくる不思議な感覚。

この生徒にとって、学校は柔らかい居心地のいい場所なのか、はたまた、この生徒が柔らかい優しい心持ち主なのか。

そのどっちでもあってほしいなと思う昼下がりでした。

ドラえもんとエヴァンゲリオン

ドラえもんの動力源は胸あたりにある原子炉という設定だったと記憶しています。アトムは名前どおりお腹の原子炉が動力源です。小学生の頃読んだ科学雑誌には未来予想図が描かれていて、原子力自動車、原子力列車、原子力飛行機などなど、身の回りに原子力が溢れている世界が描かれていました。

原子力災害を身近に体験し現実を見せられると、あの雑誌の未来予想は実現不可能な物ばかりですね。原子炉を積んで誰もが運転できる乗り物はこの先生まれることはないでしょう。原子炉で動き続けるロボットよりは、アンビリカルケーブルが外れ内部電源で活動限界が5分のエヴァンゲリオンの方が、今となってはリアルです。

さて、夢物語ではない現実をしっかりと見つめるためにも放射線教育は欠かせません。

県立医科大教授の田巻先生、環境省から山口さん、それから放射線リスクコミュニケーション相談員の皆さんをお迎えして、様々な放射線や除去土壌について学びます。

医療で活用される放射線についての学び。

世界平均と比べると日本は医療被曝の値が多いことがわかります。

被爆にも様々な種類があり、それぞれ線量も違います。

(除去土壌に関する講義は、別の仕事が入り撮影できませんでした。私自身が興味があっただけに残念。)

次回は、フィールドワーク。生徒は、机上だけにとどまらない(活動限界のない)、アクティブな学びを実践しています。

真夏の果実

サザンオールスターズの歌う「真夏の果実」はもう手にすることもできない、遠く離れ会えなくなった想い人への悲しいラブバラードです。

さて、9月3~5日の日程で、第56回福島県高等学校新人体育大会テニス競技県北地区予選が行われました。

団体戦には男子チームがエントリー(写真奥が本校チーム)。

団体戦で優勝。男子個人戦は1位から6位まで本校選手が独占しました。夏の間、灼熱コートで練習に打ち込んで手に入れた「真夏の果実」は、サザンのそれとは違って、弾けるような明るい太陽の味がしたことでしょう。

一方、3年生は課外に明け暮れた「真夏の果実」を手に入れようと、駿台ベネッセ大学入学共通テスト模試に挑んでいます。

後の祭り

美空ひばりの「お祭りマンボ」に登場する近所のおじさんとおばさん。おじさんに近所が火事だと伝えてもわっしょいわっしょい、おばさんに留守宅を空き巣が狙っていると伝えてもわっしょいわっしょい。お祭り終わって日が暮れておじさんは家を焼かれ、おばさんはへそくりを盗られ、ため息ついても泣いても元には戻らない「♪あ~とのま~つ~り」となってしまいます。

さて、公開文化祭終了後、本校生だけで「後夜祭」が行われました。

まずは、借り物競走で幕開け。物を借りるのかと思ったら、「○年○組○○番の人」とか「かっこいい人」「好きな人」とか、人を連れてくる競争で盛り上がりました。考えたなあ~。

続いて、個人の仮装審査の結果発表。昔と違って購入できる衣装も多い中、手作り感のある仮装も選ばれています。

クラス企画審査では、受賞したクラスが飛び上がらんばかりの大喜び(写真は一人飛び上がってますね)。

ポスターなどのデザインコンペの優勝者にも賞状が渡されます。

なんと、校庭より打ち上げられる花火。しばしの間、文化祭の余韻にみんなで浸ります。

お祭りすんで、月曜日、3年教室。受験勉強にいそしむ生徒の姿。この教室いっぱいにジェットコースターが走っていたとは、とても信じられません。切り替え上手の本校生は「♪あ~とのま~つ~り」とはならないようですね。

公開文化祭

午前午後完全入替チケット制というシステムで運営された今回の公開文化祭。1000人弱のご来場者をいただいて、賑々しく開催することができました。

モグラたたきですね。ヘルメットをかぶって頭を出すのかと思ったら、ペットボトルを手で操作。安全です。

お客様に入場前のご説明。どうお話しすればよくわかってもらえるのか。接客も学びの場面です。

地球温暖化対策??で、人力によるメリーゴーラウンド。

人力担当は、まあ、こうなりますよね。持続可能かどうかは検討が必要のようです。

図書館企画。文化祭ですので、こういう落ち着いた企画もあります。

ステージ企画も盛況でした。バンドなどは普段見られない生徒の姿が垣間見えます。

屋外企画。各部が食品販売する出店(でみせ)が軒を連ねるところですが、コロナ感染対策のためゲーム等の企画になりました。

詳しい様子は、生徒会のコーナーにアップされるはず??

仮装行列

(公開日は午前午後完全入替チケット制となっています。同伴されるお子様などご家族にも一人一枚のチケットが必要となっておりますので、ご注意ください。)

文化祭公開前日のお楽しみと言えば「仮装行列」ですね。様々に扮装して町を練り歩き、駅前のちょっとして広場で簡単なパフォーマンスをする。明日から公開文化祭ですよと町の人たちに知らせる役目もあったと思います。

高校時代の記憶をたどると、Sandro Botticelliの描いた「ヴィーナスの誕生( La Nascita di Venere)」を立体的に再現して、ユニセックスな雰囲気を持っていたK君をヴィーナスに仕上げ、貝を模したリヤカーに乗せて歩いたような気がします。ヴィーナスのK君を見て、女子校生が嬌声を上げ「うわ~きれい」とざわめいていたことを覚えています。

学校に戻る頃は、貝の装飾はなくなって、お化粧上手のさすがのK君もヴィーナスを維持できず。「リアカーの何者???」って感じでした。最後まで形を維持する作り込みも文化祭伝承技術のひとつだったと思います。

時代は下って

今や、コロナ禍で駅前などに衆人とはいかないため、仮装行列を敢行する学校はないのではないでしょうか。本校生徒会・文実も早々に仮装行列はあきらめ、クラスパフォーマンスで企画を進めていました。

行列しないとなるとダンスパフォーマンスが中心となりますね。

全員スカートですが、もちろん男子生徒が含まれています。男子生徒の女装は昔から変わらない定番の演出です。

衣装も凝っています。いわゆる特攻服。あくまでも仮装ですからね。リアルにこれを着てくる生徒はいませんよ。

右から二番目の生徒のはじけ方が、文化祭の盛り上がりを物語っていますね。

本校HPには生徒会のコーナーもありますから、そのうち特集も組まれるでしょう。ネタがなくならないようにこの辺でしまいにしましょう。

まあ、みんなダンスうまいねえ。シブがき隊レベルでは太刀打ちできません。