校長室

嗜み(たしなみ)としてのダンス

特に自慢をするわけではありませんが、わたくしダンスにはちょっと自信があります。というか、少なくとも50代以上の旧県立男子校出身者であれば、嗜みとしてダンスは身につけているはずです。

文化祭の後夜祭のダンスと言えば、「オクラホマミキサー」でジェントルに開始、「ジェンカー」で砂埃をあげ、「マイムマイム」でサークル中心のキャンプファイヤーに突っ込むというのが、旧男子校ゴールデンメドレー。ダンス成功に向け、文化祭前に体育の時間までも動員して男だけのダンス……、嗜みとはいえ、男だけのオクラホマミキサーほど辛い練習はありません。

ダンスを嗜むには、相当の努力がいります。

 

さて、8月2日に行われた本校ダンス部千秋楽公演を見てきました。

健康チェック、検温、消毒のゲートをくぐり、次第に埋まっていく客席。コロナ前は立ち見もあったそうですが、入場制限をかけ、感染防止に努めています。

ライトやスモークなどの舞台演出も表現を盛り上げます。

ダンス部は、本校では運動部ではなく文芸部に分類されています。音楽や美術や書道と同様に、表現者と鑑賞者が一体となって、感覚や心を昇華させようとする舞台上の芸術です。

オクラホマミキサーほか「男子校の嗜みナンバー」での飛び入り参加でのダンスはできませんでしたが(笑)、「ゲゲゲイの鬼太郎」 (東京ゲゲゲイ)などのラップに合わせた切れのあるダンスなど、どの表現も大変魅力的でした。

個人的にはどうしても通勤時によく聞く楽曲になると、曲の解釈と肉体表現の関連が気になってしまいます。

特に、「命に嫌われている」(まふまふ)では、内面にある「生きる」という葛藤を、あえて明るい生に満ちたアイコンのセーラー服に身を包んで表現し、「Señorita」(Shawn Mendes & Camila Cabello)では、「Señorita(お嬢さん)」としか呼びかけてくれない彼への切ないけれど強い恋心(高校生には難しいかなと思ったけれど)を情熱的に表現していて、どちらもダンスメドレー中の一曲の表現でしたが、本校生の創造力(想像力)の大きさを感じ、強く心に残りました。

 

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