他人の靴を履く
お座敷で大人数の酒宴の帰り、いざ、自分の靴を履こうと思ったら見当たらない。酔った参加者が間違って履いて帰っていたなんてことは、コロナ前には時折ありました。新品の靴ならまだしも、履き古したビジネスシューズなどは、かかとも減って癖がつき、何か変だなあって気づきそうなものですが…
さて、10月19日午後の2年生
体育館で「学問入門講座」と銘打って、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授 松岡俊二 博士をお招きして学びを深めています。
講座タイトルは「福島の復興と廃炉の研究を始めて11年半」。全体講義の後、生徒代表者を中心に扇形に座り直し、対話の中で学びます。福島イノベーション・コースト構想推進機構の関係者も聴講に訪れ、熱気ある対話となりました。
「他人の靴を履く」、日本語ではいったい何のことか、冒頭のようなイメージしかわかない言い回しですが、英語では「put on someone's shoes」という慣用句として成り立っていて、多様性を理解する能力=エンパシー(Enpathy)能力を指すことのようです。
処理水の海洋放出についての本校生の質問に、このエンパシーの概念を元に、科学と政治と社会の対話の必要性と3つを繋ぐ人材の必要性について説き、本校生に期待を寄せる先生の姿が印象的でした。
さて、一方同じ時刻の1年教室では
株式会社いちい人事部 斎藤 様
大久自動車販売株式会社代表取締役 大槻様
あづま脳神経外科病院 斎藤様
福島信用金庫マネーアドバイザー 高橋様
福島県立医大作業療法士 菊地様
県商工労働部雇用労政課と一般社団法人キャリア支援機構と連携をとりながら、それぞれの分野のエキスパートをお呼びしての、社会人講話が行われていました。
こちらは、言うなれば、靴の履き心地を聞いて、どの靴を選ぶか考えているというところでしょうか。
進学指導重点校に指定されている本校は、進学指導に向け問題演習や模試で夜も日も明けないほどなのかと思われがちですが、こうして先進的な考えに触れたり、実践的なお話を伺って、人間的な成長を図りながら大学進学を目指すのが本校の高校生活です。