校長室

ジャニーズ・カフェ~文化祭での学び~

今週末、9月3日は4年ぶりの公開文化祭です。3年1回の公開が原則ですが、コロナ禍で1年延期しての開催となります。感染予防のため、午前午後完全入替チケット制となっています。同伴されるお子様などご家族にも一人一枚のチケットが必要となっておりますので、ご注意ください。

廊下にこんなものが。今はもっと形になっています。

本校の校訓の「協調」と「創造」。友達といろいろ相談しながら、企画を進め創り上げていくこの様子は、校訓そのもの。文化祭での「協働」には、高校生活での大切な学びがあります。

なにやら、教室の作り込みのアイデアのようです。あまり撮影するとネタバレになるので、公開当日のお楽しみとしましょう。

閑話休題

 私が高3の時の文化祭は公開でした。クラス企画は「ジャニーズ・カフェ」。田原俊彦、近藤真彦、シブがき隊などのショーと、ケーキ(+ジュース)を販売するカフェです(当時は教室内食品販売の規制がゆるかったんでしょうね)。旧男子校文化祭の客層はほとんどが女子なので、ショーとカフェの二本立てで、相当な集客が見込まれます。カフェ班は大量のケーキを発注。ショー班もさらなる集客のためジャニーズを完コピ。

完全無欠の企画(ケーキを200円で仕入れ250円で売る儲け話)のはずでした。

 文化祭当日、完コピショー班の集客はすさまじく、押すな押すなの大盛況、立ち見もでてラッシュアワー並の混雑です。ところが、カフェ班が振るいません。30分ほどのショータイムの間は満席ですが、席数分のケーキしか売れないうえ、食べ終わってもショーの間は離席しない。紙皿に出すケーキを立ち見のお客さんは注文しない。ケーキ目的の来客は少なく、ショー以外の時間は閑古鳥が鳴いています。お客の回転があまりにも悪い。

気がついたときには、もうすでに後の祭り。

 みんなで出資し発注したケーキが大量に売れ残っています(本来ならケーキ1つに50円の利益が乗り、経費を抜いて出資額に上乗せされて戻ってくるはずだった)。しかたない、売れた利益は現金でもらい、売れ残りケーキを現物でもらう(現物で200円分回収)しかないねと思って、部活の出店もあったのでクラスを離れました。

で、戻ってみると

 なんとケーキがほとんどなくなっています。現物支給よりは、薄い利益でも現金化するのに越したことはありません。「で、いくらで売ったの?」「230円にしたけど売れなくてさ」「うんうん」「200円にしたら少し売れたので」「『ので』って、原価だぞ」「最後は100円にしたらあっという間」「……おいおい」
 100円で売ると100円の赤字です。正規に売った2個分の利益がどんどん失われていく計算です。結局のところ、ジュース代や紙皿、紙コップなどの必要経費を引くと、マイナスの追加徴収。儲かるはずが出資金も戻らないうえに持ち出しとなりました。

文化祭で学んだこと 1 商売は甘くない。 2 儲け話には気をつけろ。

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