校長室

2022年10月の記事一覧

男泣き

ジェンダーレスの考え方から言えば、日本語にはまだまだ性差の概念に基づいた言葉が多く残っています。激しい感情に揺さぶられ男が涙を流す「男泣き」という単語も、簡単には泣かないのは男、すぐに泣くのは女というジェンダーばりばりの観念が見え隠れして居心地の悪い単語になりつつあります。

ただ、激しい感情に揺さぶられ堪えられず泣くと言う行為を端的に表せる「男泣き」に代わる適語が、私の語彙の範疇で見当たりません。むせび泣くにしようかなと思ったのですが、かなりニュアンスが違います。泣きべそ…高校生には年齢的に使えないかなあ

さて、10月22日十六沼公園にてサッカー選手権4回戦が行われました。(3回戦の様子は「削ぐ」をお読みください。)

多くの保護者、ファンから声援を受け試合に臨める本校選手は幸せ者です。応援ありがとうございます。

相手は優勝候補のひとつ、学法石川高校。果敢にサイドから攻め上がり…

コーナーキックからのチャンスが連続するシーンもありましたが…得点ならず。

試合終了のホイッスルとともに座り込み、倒れ込む選手も…善戦及ばず0-4での敗戦です。

応援席からは健闘をたたえるおつかれさま!よくがんばった!と言う声援とともに、惜しみない拍手が送られます。

これまで、サッカーの試合の後は応援席を離れ、ベンチ脇でクールダウンする選手にひと声ふた声かけて帰っていたのですが、この日だけは…

3年間の部活動への想い、試合の悔しさ……。遠巻きに見ているだけでも一人一人に様々な感情がわき上がってきているのがわかります。選手も選手を支えてきたマネージャーも、男女関係なくまさに「男泣き」。

3年間を締めくくる大切な空間に入ることはせず、静かに会場を後にしました。

他人の靴を履く

お座敷で大人数の酒宴の帰り、いざ、自分の靴を履こうと思ったら見当たらない。酔った参加者が間違って履いて帰っていたなんてことは、コロナ前には時折ありました。新品の靴ならまだしも、履き古したビジネスシューズなどは、かかとも減って癖がつき、何か変だなあって気づきそうなものですが…

さて、10月19日午後の2年生

体育館で「学問入門講座」と銘打って、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授 松岡俊二 博士をお招きして学びを深めています。

講座タイトルは「福島の復興と廃炉の研究を始めて11年半」。全体講義の後、生徒代表者を中心に扇形に座り直し、対話の中で学びます。福島イノベーション・コースト構想推進機構の関係者も聴講に訪れ、熱気ある対話となりました。

「他人の靴を履く」、日本語ではいったい何のことか、冒頭のようなイメージしかわかない言い回しですが、英語では「put on someone's shoes」という慣用句として成り立っていて、多様性を理解する能力=エンパシー(Enpathy)能力を指すことのようです。

 処理水の海洋放出についての本校生の質問に、このエンパシーの概念を元に、科学と政治と社会の対話の必要性と3つを繋ぐ人材の必要性について説き、本校生に期待を寄せる先生の姿が印象的でした。

さて、一方同じ時刻の1年教室では

株式会社いちい人事部 斎藤 様

 大久自動車販売株式会社代表取締役 大槻様

 あづま脳神経外科病院 斎藤様

福島信用金庫マネーアドバイザー 高橋様

福島県立医大作業療法士 菊地様

県商工労働部雇用労政課と一般社団法人キャリア支援機構と連携をとりながら、それぞれの分野のエキスパートをお呼びしての、社会人講話が行われていました。

こちらは、言うなれば、靴の履き心地を聞いて、どの靴を選ぶか考えているというところでしょうか。

進学指導重点校に指定されている本校は、進学指導に向け問題演習や模試で夜も日も明けないほどなのかと思われがちですが、こうして先進的な考えに触れたり、実践的なお話を伺って、人間的な成長を図りながら大学進学を目指すのが本校の高校生活です。

 

削ぐ

10月15日、十六沼公園では…

横断幕とともに同じ色のシャツに身を包んだ一団が陣取っていました。

第101回全国高校サッカー選手権大会福島県大会の3回戦です。保護者、ファンの皆さん応援ありがとうございます。

3回戦とはいえ、シード校なので初戦。相手はノーシードながら勝ち上がってきた橘高校です。勝ち上がりの勢いを削ぐため序盤から積極的に攻めていきます。

果敢な攻めが功を奏し、前半は 東4-0橘 で折り返し。

後半、コーナーキックから攻め込まれる場面もありましたが

後半も、攻めの姿勢を崩さず1点を追加。東5-0橘 で4回戦ベスト16に駒を進めました。

前日と打って変わって、日差し強く気温が上がる中、応援ありがとうございました。模擬試験終了後に応援に駆けつけた3年生は間に合わなかったかな。

次回は準決勝をかけた戦い、学法石川戦です。

観戦する私の隣で、熱心にiPadで試合を撮影している生徒が2名。本校生かなと胸のワンポイントを見ると「GAKUHOU ISHIKAWA」と刺繍してありました。敵情偵察ですね。次々と得点を重ねる本校サッカー部の映像見せたら、勝てる気持ち削がれちゃうかもよっては言わないでおきました。

次戦もがんばれ、福島東!

青春(アオハル)

青春ねえ~、「♫青春時代が夢なんて~ 後からほのぼの思うもの~」(森田公一とトップギャラン)の歌は知っているけど、最近は加齢により青春の記憶がだんだんと曖昧に…ほのぼの思い出すこともできなくなりつつあります。

最近の若者は、セイシュンとは言わずアオハルって言うらしいです。青春からネガティブな部分をすっかり取り去って、「初々しさ」とか「未熟さ」とか「恋愛」とかの部分を強調している言葉らしいです。

10月12~13日と秋季スポーツ大会が実施されました。今の高校生にとってはアオハルな行事ですね。

スポーツ大会を運営するのは生徒自身です。生徒会執行部、体育委員、関係運動部の生徒が手際よくを準備をしていきます。

準備体操も、体育委員の生徒二人の号令一下。

試合の進行コントロールも生徒が行います。

開会式でコントを披露するのも生徒。アオハルだなあ。

試合の行方を見守る真剣なまなざし。1~3年混合のクラス対抗戦なので、応援にも熱が入ります。アオハルまっただ中。

遠くからそっと応援する姿も…アオハルですね。

得点が入れば、アオハル!

勝利のアオハル!

ディフェンス二人の突破を試みるアオハル!

シュートを試みるアオハル!

どうもアオハルってしっくりこないですね。やはり青春と言う言葉が一番。

生徒諸君は青春の2ページ分をしっかり刻んだであろう2日間、私にとっては青春の輝きまぶしい2日間でした。

コロナ禍の中工夫をして運営にあたった生徒諸君に敬意を表します。

溢れる

10月7日、県高校新人テニス大会に、県部会長代理として伺うことができました。本校男子団体が出場しているので少しの時間ですが、観戦。

写真では明るくとれていますが、急に気温が下がる天候の中、雨の中でプレーをしています。

雨樋から雨が溢れる中、気迫溢れるプレーが続きます。音声をお届けできないのが残念。雄叫びというのか、自分を鼓舞するように声を上げるのが、本校男子テニス部の闘志溢れる姿です。

県準優勝で東北選抜高校テニス大会の出場権を得ました。

顧問の先生に聞きました。「どのくらい雨が降ったら試合は中止になるのですか?」「コートの排水が追いつかず、コート面に水が溢れたら危険なので中止です。」「え?でも、コートってかなりしっかり暗渠排水してますよね。」「ええ、そうなので、たとえ土砂降りでも雨だけで中止になることはほぼありません。」

テニスって太陽溢れる避暑地のコートで笑顔さわやかに……、目の前でストイックにテニスを追求する選手諸君を見ながら、これまでの勝手な想像を雨樋から溢れ滴る雨水とともに排水溝へ流しました。