校長室

2022年8月の記事一覧

ジャニーズ・カフェ~文化祭での学び~

今週末、9月3日は4年ぶりの公開文化祭です。3年1回の公開が原則ですが、コロナ禍で1年延期しての開催となります。感染予防のため、午前午後完全入替チケット制となっています。同伴されるお子様などご家族にも一人一枚のチケットが必要となっておりますので、ご注意ください。

廊下にこんなものが。今はもっと形になっています。

本校の校訓の「協調」と「創造」。友達といろいろ相談しながら、企画を進め創り上げていくこの様子は、校訓そのもの。文化祭での「協働」には、高校生活での大切な学びがあります。

なにやら、教室の作り込みのアイデアのようです。あまり撮影するとネタバレになるので、公開当日のお楽しみとしましょう。

閑話休題

 私が高3の時の文化祭は公開でした。クラス企画は「ジャニーズ・カフェ」。田原俊彦、近藤真彦、シブがき隊などのショーと、ケーキ(+ジュース)を販売するカフェです(当時は教室内食品販売の規制がゆるかったんでしょうね)。旧男子校文化祭の客層はほとんどが女子なので、ショーとカフェの二本立てで、相当な集客が見込まれます。カフェ班は大量のケーキを発注。ショー班もさらなる集客のためジャニーズを完コピ。

完全無欠の企画(ケーキを200円で仕入れ250円で売る儲け話)のはずでした。

 文化祭当日、完コピショー班の集客はすさまじく、押すな押すなの大盛況、立ち見もでてラッシュアワー並の混雑です。ところが、カフェ班が振るいません。30分ほどのショータイムの間は満席ですが、席数分のケーキしか売れないうえ、食べ終わってもショーの間は離席しない。紙皿に出すケーキを立ち見のお客さんは注文しない。ケーキ目的の来客は少なく、ショー以外の時間は閑古鳥が鳴いています。お客の回転があまりにも悪い。

気がついたときには、もうすでに後の祭り。

 みんなで出資し発注したケーキが大量に売れ残っています(本来ならケーキ1つに50円の利益が乗り、経費を抜いて出資額に上乗せされて戻ってくるはずだった)。しかたない、売れた利益は現金でもらい、売れ残りケーキを現物でもらう(現物で200円分回収)しかないねと思って、部活の出店もあったのでクラスを離れました。

で、戻ってみると

 なんとケーキがほとんどなくなっています。現物支給よりは、薄い利益でも現金化するのに越したことはありません。「で、いくらで売ったの?」「230円にしたけど売れなくてさ」「うんうん」「200円にしたら少し売れたので」「『ので』って、原価だぞ」「最後は100円にしたらあっという間」「……おいおい」
 100円で売ると100円の赤字です。正規に売った2個分の利益がどんどん失われていく計算です。結局のところ、ジュース代や紙皿、紙コップなどの必要経費を引くと、マイナスの追加徴収。儲かるはずが出資金も戻らないうえに持ち出しとなりました。

文化祭で学んだこと 1 商売は甘くない。 2 儲け話には気をつけろ。

始動

8月27日(土)より第74回秋季東北地区高等学校野球福島県大会県北支部予選が始まりました。

3年生が引退しての新チーム。夏の間にたくさん練習試合を組んでいましたから、その成果を発揮する初戦です。

そして、応援団、応援ブラバンも夏の練習の成果を試す初めての応援。

そして、そして、保護者応援団(保護者会)も新体制での応援初日です。途中からググッと気温が上がる中、熱のこもった応援、ありがとうございます。

初戦は福島明成に0-17(5回コールド)で快勝しました。

言葉の力

古代日本においては、言葉には、発すればその通りの結果が現れる霊力があるという「言霊」という考え方(信仰)がありました。

 

さて、8月19日~21日にコラッセ福島で開催された「福島県刻字協会展」を訪れました。

書家の方々による刻字(書を木などに彫り込み彩色すること)の展示がされていて、本校校是「文武両道」の刻字もありました。金箔などで文字が浮き出ていて、紙に書いた作品とは違う趣がありますね。

本校書道部、渡邉さんの作品。渡邉さんは過日行われた「たなばた展」において福島民報社賞を受賞した実力派です。

そして、今回訪問の主目的。併催の高校生刻字作品展です。書道を選択している本校生の作品が数多く展示されていました。見渡す限りの作品が本校生の作品です。

書家の先生方からは、本校生の刻字は前向き、ポジティブな力を感じると評されていたようです。

 

本校生は、いついかなる時も、前向きに、ポジティブに生きていくことでしょう。なんといっても「言霊」ですから。

琴の糸

8月12日に合唱団第20回定期演奏会が開催されました。

「繋ぐ~心をひとつに紡ぐ歌」というテーマで、素晴らしい歌声をふくしん夢の音楽堂に響かせました。

現役部員は女声7人のみ。一曲目の「Quam pulchra es」(John Dunstable)は、澄み切った歌声で、パイプオルガンの背景とともに、まるで聖堂で聖歌を聞いているような錯覚に陥りました。

「糸」(中島みゆき)では、鈴木部長のソロパートが始まったとたん、私の前の席の女性お二人が涙を流す様子がありました。会場のあちこちで、すすり泣く様子も。

OBOGから「繋」ぎ、7人が「紡」いだ歌声が、観客の琴線(琴の「糸」)に触れた瞬間でした。

課外の課外

7月終業式翌日から始まった夏の課外、3年生は先週末(8/5)で幕を閉じました。みんなおつかれ~、少しゆっくり……

って、えええ!

週明けの3年のクラスの様子。ほとんどの席が埋まっています。教壇に先生はいないので、自習スタイルでの受験勉強。あ、撮影を一人に気づかれました…、ごめんごめん、勉強の邪魔をしちゃった…

今週、山の日までの3日間は「3年学習会」という、自習スタイルの勉強会。国数英の先生から課題をもらって取組み、講義スタイルではないので、一人一人の進度に合わせ、余裕のある生徒は自分の勉強をどんどん進めることになるようです。

真剣に勉強に打ち込む仲間を見ながら、課外の課外、真剣勝負の3日間です。

10のマイナス3乗の世界

10のマイナス3乗とは1000分の1のこと、「ミリ」という接頭語で表されます。たとえば、1メートルの1000分の1は1ミリメートルですね。

 

さて、昨日(8/4)は、インターハイ(全国高校総体)陸上競技男子100メートル走が行われました。本校から安齋選手が出場しています。徳島の会場に応援に行きたいところですが、今回は「インハイTV」 https://sportsbull.jp/category/inhightv/ での観戦です。

(画像は著作権の関係でここでご覧いただくことができません。インハイTVのアーカイブに残っていることを祈ります。)

 

予選は8組9レーンでした。10秒42(追い風参考)で準決勝進出を決めました。

オフィシャル発表はこちら https://inhightv.sportsbull.jp/archive?id=1494

 

準決勝3組7レーンです。課外の午後、職員室の先生方も固唾をのんで見守ります。

結果は2レーン、7レーン(安齋選手)、8レーンの3選手が10秒68で同タイム。職員室がどよめきます。

オフィシャル発表はこちら https://inhightv.sportsbull.jp/archive?id=1495

なんと、7番目のタイムに10秒68が3人並びました。ファイナリストは8名。同タイムの中から安齋選手が選外に……。顧問の先生の報告では1000分の4秒差だったとのこと。10のマイナス3乗、ミリ秒世界での競争です。

 

100000ミリメートル(100メートル)を10680ミリ秒(10秒68)で走るときの4ミリ秒に進む距離は37.45ミリメートル。実際には加速して走り抜けますから、もっと短いと思われます。

100000ミリメートルのうち、たった37ミリメートルを4ミリ秒のうちに詰める勝負。それに向けた日々の練習、コンディション調整、メンタルトレーニング。

 

10のマイナス3乗世界での戦い、なんと奥深いのでしょう。

嗜み(たしなみ)としてのダンス

特に自慢をするわけではありませんが、わたくしダンスにはちょっと自信があります。というか、少なくとも50代以上の旧県立男子校出身者であれば、嗜みとしてダンスは身につけているはずです。

文化祭の後夜祭のダンスと言えば、「オクラホマミキサー」でジェントルに開始、「ジェンカー」で砂埃をあげ、「マイムマイム」でサークル中心のキャンプファイヤーに突っ込むというのが、旧男子校ゴールデンメドレー。ダンス成功に向け、文化祭前に体育の時間までも動員して男だけのダンス……、嗜みとはいえ、男だけのオクラホマミキサーほど辛い練習はありません。

ダンスを嗜むには、相当の努力がいります。

 

さて、8月2日に行われた本校ダンス部千秋楽公演を見てきました。

健康チェック、検温、消毒のゲートをくぐり、次第に埋まっていく客席。コロナ前は立ち見もあったそうですが、入場制限をかけ、感染防止に努めています。

ライトやスモークなどの舞台演出も表現を盛り上げます。

ダンス部は、本校では運動部ではなく文芸部に分類されています。音楽や美術や書道と同様に、表現者と鑑賞者が一体となって、感覚や心を昇華させようとする舞台上の芸術です。

オクラホマミキサーほか「男子校の嗜みナンバー」での飛び入り参加でのダンスはできませんでしたが(笑)、「ゲゲゲイの鬼太郎」 (東京ゲゲゲイ)などのラップに合わせた切れのあるダンスなど、どの表現も大変魅力的でした。

個人的にはどうしても通勤時によく聞く楽曲になると、曲の解釈と肉体表現の関連が気になってしまいます。

特に、「命に嫌われている」(まふまふ)では、内面にある「生きる」という葛藤を、あえて明るい生に満ちたアイコンのセーラー服に身を包んで表現し、「Señorita」(Shawn Mendes & Camila Cabello)では、「Señorita(お嬢さん)」としか呼びかけてくれない彼への切ないけれど強い恋心(高校生には難しいかなと思ったけれど)を情熱的に表現していて、どちらもダンスメドレー中の一曲の表現でしたが、本校生の創造力(想像力)の大きさを感じ、強く心に残りました。