校長室

校長室

Madison Square Garden

2年生は明日(11月8日)より修学旅行に出発します。お天気はいいようですので、コロナ対策十分に実りのある旅行としてもらいたいです。

観光旅行ではないので、修学旅行は事前学習がしっかり行われます。今は班別研修がごく普通に行われるので、班別研修の際のルートや見学地の設定、歴史背景の下調べなどなど(加えて、おいしい食べ物やお土産情報もね)、事前学習も充実しています。

さて、本校はどんな事前学習が…(USJのアトラクションでも調べているかな…)と覗いてみると

今春設置されたばかりのプロジェクターを利用して、なにやら画面向こうの講師から講義を受けています。生徒の手元のレジュメを見ると

アメリカ・シカゴにあるDePaul Universityとライブで繋いで、「なぜアメリカでは『原爆が悪』ではないのか~『正しさ』とは何か」というタイトルで、同大学の宮本ゆき准教授よりの講話と意見交換を行っていました。

修学旅行初日は広島原爆資料館など原爆の資料に触れ学ぶ予定です。本校生はあの惨状を明日知ることになるわけですが、一方で核兵器を肯定する人たちがいるという事実を知っておくことは、現在の世界情勢からも立体的な学びとなることでしょう。本校生の変容が楽しみです。

学びを頭の中にしっかり詰め込んで、修学旅行の荷物は手提げ…

で、でかい。ほとんど全員がガラガラ(と私は呼んでいる)です。「お土産入れるスペース?」「え、もう満杯ですよ」「え!?」思わず「3泊で帰ってくるんだよね?」と聞いてしまいました(笑)。

ちなみにこちらはトップツアー添乗員の皆さんのバッグ。いや、旅行上手は手荷物小さいよね。山岳部で軽量化と省スペース化に日々努力していた私は、クラス担任時代はスーツにザック背負って行きました(事前配送も不必要)。

なんなら、3泊4日ぐらいマジソンバッグで余裕で行ける自信があります。

ところで、マジソンバッグってご存じ?

カオアリ

あっという間に11月になりました。今年も残すところ2か月です。

1日、少々肌寒い朝

信夫ヶ丘陸上競技場に全校生が集合し、体育委員の号令に合わせ屈伸運動中。今日は校内マラソン大会です。男子は日本陸連公認10キロコース、女子は同7キロ。コロナ禍の影響で実に3年ぶりの開催となりました。

まずは、女子が9時45分に一斉スタート。競技場を一周してコースに出て行きます。

これから7キロ走るというのに、満面の笑み。相当余裕のようです。

競技場の観客席の上から、競技場の外周のコースを走る女子に声援を送る男子。

あっという間に女子トップが戻ってきました。なんと1年生の菅野さん、26分52秒でゴール!は、速い!

男子は、全ての女子のゴールを待って(=全ての女子の声援を受けて)10時55分にスタート。もう待ちきれない様子です。

これから10キロあるというのに、写真奥のコーナー(第二曲走路)で声援を送る女子の前まで猛ダッシュ。競技場を出る前に息が上がっています。まあ、気持ちはわからないでもないですが(笑)

今度は、女子が観客席上から声援を送ります。その昔、女子からの声援をもらうためだけに、体育教官室呼び出しも恐れずコースを外れて近くの女子校前を走ったり、女子生徒の多い商業高校の前で猛ダッシュをしていた私の級友(男子校)に見せてあげたい、天国のような光景です。

これまた、男子トップがあっという間に戻ってきました。2年の山田君。34分25秒でゴール。は、は、速い!

私はゴールで全員を出迎えましたが、マラソンなのでほとんどの生徒がマスクなしでゴールします。笑う者、悔しがる者、友達と健闘をたたえ合う者、息を切らし倒れ込む者。10キロ・7キロ大変な思いをして走ってきた生徒諸君には申し訳ないのですが、このコロナの3年間望んでも手に入れることができなかったこと、こんなに間近に、こんなにはっきりと、マスクのない、こんなに生き生きとした生徒のカオ(表情)を見ることができて、なんだかすごくウキウキした気分になりました。

顔が見えるっていいよね。

カオナシ

まずはじめに、10月末ハロウィンを間近に控えた韓国ソウル梨泰院 の雑踏事故において、亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈りいたします。

さて、ハロウィンっていつ頃から仮装した人々が街に繰り出すようなイベントになったのでしょうかね。それこそ、都会のキリスト教系私学では、お昼休みに校舎中庭に仮装をした生徒が集うようなことはあったとは聞きますが、今の渋谷みたいなことは…、どうしても商業ベースの仕掛けを感じずにはいられません。

そんなことを考えていた10月31日

校長室にカオナシ現る!これはどうしたことかと、話しかけてみると「No Face」という答え、英語圏のカオナシらしい。そして、「キョウハエイゴブデHalloweenpartyヲシマス」とだけ告げて、ドロン。

放課後、カオナシがALTジェシー先生の渾身の英語掲示板の横にいるのを発見。

そのボードの前では、英語部員がなにやらカードを持って頭をひねる様子。

聞くと「ジェシー先生カオナシからのクイズの答えを校内中から探しているんです」とのこと。この企画がHalloweenpartyそのものなんだそうです。

ただ、仮装して集まって騒ぐのではなくて、こういうのもHalloweenpartyって言うのねと、さすがキリスト教圏本場仕込みのジェシー先生カオナシの企画はオーラが違うわと感心しきりでした。

男泣き

ジェンダーレスの考え方から言えば、日本語にはまだまだ性差の概念に基づいた言葉が多く残っています。激しい感情に揺さぶられ男が涙を流す「男泣き」という単語も、簡単には泣かないのは男、すぐに泣くのは女というジェンダーばりばりの観念が見え隠れして居心地の悪い単語になりつつあります。

ただ、激しい感情に揺さぶられ堪えられず泣くと言う行為を端的に表せる「男泣き」に代わる適語が、私の語彙の範疇で見当たりません。むせび泣くにしようかなと思ったのですが、かなりニュアンスが違います。泣きべそ…高校生には年齢的に使えないかなあ

さて、10月22日十六沼公園にてサッカー選手権4回戦が行われました。(3回戦の様子は「削ぐ」をお読みください。)

多くの保護者、ファンから声援を受け試合に臨める本校選手は幸せ者です。応援ありがとうございます。

相手は優勝候補のひとつ、学法石川高校。果敢にサイドから攻め上がり…

コーナーキックからのチャンスが連続するシーンもありましたが…得点ならず。

試合終了のホイッスルとともに座り込み、倒れ込む選手も…善戦及ばず0-4での敗戦です。

応援席からは健闘をたたえるおつかれさま!よくがんばった!と言う声援とともに、惜しみない拍手が送られます。

これまで、サッカーの試合の後は応援席を離れ、ベンチ脇でクールダウンする選手にひと声ふた声かけて帰っていたのですが、この日だけは…

3年間の部活動への想い、試合の悔しさ……。遠巻きに見ているだけでも一人一人に様々な感情がわき上がってきているのがわかります。選手も選手を支えてきたマネージャーも、男女関係なくまさに「男泣き」。

3年間を締めくくる大切な空間に入ることはせず、静かに会場を後にしました。

他人の靴を履く

お座敷で大人数の酒宴の帰り、いざ、自分の靴を履こうと思ったら見当たらない。酔った参加者が間違って履いて帰っていたなんてことは、コロナ前には時折ありました。新品の靴ならまだしも、履き古したビジネスシューズなどは、かかとも減って癖がつき、何か変だなあって気づきそうなものですが…

さて、10月19日午後の2年生

体育館で「学問入門講座」と銘打って、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授 松岡俊二 博士をお招きして学びを深めています。

講座タイトルは「福島の復興と廃炉の研究を始めて11年半」。全体講義の後、生徒代表者を中心に扇形に座り直し、対話の中で学びます。福島イノベーション・コースト構想推進機構の関係者も聴講に訪れ、熱気ある対話となりました。

「他人の靴を履く」、日本語ではいったい何のことか、冒頭のようなイメージしかわかない言い回しですが、英語では「put on someone's shoes」という慣用句として成り立っていて、多様性を理解する能力=エンパシー(Enpathy)能力を指すことのようです。

 処理水の海洋放出についての本校生の質問に、このエンパシーの概念を元に、科学と政治と社会の対話の必要性と3つを繋ぐ人材の必要性について説き、本校生に期待を寄せる先生の姿が印象的でした。

さて、一方同じ時刻の1年教室では

株式会社いちい人事部 斎藤 様

 大久自動車販売株式会社代表取締役 大槻様

 あづま脳神経外科病院 斎藤様

福島信用金庫マネーアドバイザー 高橋様

福島県立医大作業療法士 菊地様

県商工労働部雇用労政課と一般社団法人キャリア支援機構と連携をとりながら、それぞれの分野のエキスパートをお呼びしての、社会人講話が行われていました。

こちらは、言うなれば、靴の履き心地を聞いて、どの靴を選ぶか考えているというところでしょうか。

進学指導重点校に指定されている本校は、進学指導に向け問題演習や模試で夜も日も明けないほどなのかと思われがちですが、こうして先進的な考えに触れたり、実践的なお話を伺って、人間的な成長を図りながら大学進学を目指すのが本校の高校生活です。

 

削ぐ

10月15日、十六沼公園では…

横断幕とともに同じ色のシャツに身を包んだ一団が陣取っていました。

第101回全国高校サッカー選手権大会福島県大会の3回戦です。保護者、ファンの皆さん応援ありがとうございます。

3回戦とはいえ、シード校なので初戦。相手はノーシードながら勝ち上がってきた橘高校です。勝ち上がりの勢いを削ぐため序盤から積極的に攻めていきます。

果敢な攻めが功を奏し、前半は 東4-0橘 で折り返し。

後半、コーナーキックから攻め込まれる場面もありましたが

後半も、攻めの姿勢を崩さず1点を追加。東5-0橘 で4回戦ベスト16に駒を進めました。

前日と打って変わって、日差し強く気温が上がる中、応援ありがとうございました。模擬試験終了後に応援に駆けつけた3年生は間に合わなかったかな。

次回は準決勝をかけた戦い、学法石川戦です。

観戦する私の隣で、熱心にiPadで試合を撮影している生徒が2名。本校生かなと胸のワンポイントを見ると「GAKUHOU ISHIKAWA」と刺繍してありました。敵情偵察ですね。次々と得点を重ねる本校サッカー部の映像見せたら、勝てる気持ち削がれちゃうかもよっては言わないでおきました。

次戦もがんばれ、福島東!

青春(アオハル)

青春ねえ~、「♫青春時代が夢なんて~ 後からほのぼの思うもの~」(森田公一とトップギャラン)の歌は知っているけど、最近は加齢により青春の記憶がだんだんと曖昧に…ほのぼの思い出すこともできなくなりつつあります。

最近の若者は、セイシュンとは言わずアオハルって言うらしいです。青春からネガティブな部分をすっかり取り去って、「初々しさ」とか「未熟さ」とか「恋愛」とかの部分を強調している言葉らしいです。

10月12~13日と秋季スポーツ大会が実施されました。今の高校生にとってはアオハルな行事ですね。

スポーツ大会を運営するのは生徒自身です。生徒会執行部、体育委員、関係運動部の生徒が手際よくを準備をしていきます。

準備体操も、体育委員の生徒二人の号令一下。

試合の進行コントロールも生徒が行います。

開会式でコントを披露するのも生徒。アオハルだなあ。

試合の行方を見守る真剣なまなざし。1~3年混合のクラス対抗戦なので、応援にも熱が入ります。アオハルまっただ中。

遠くからそっと応援する姿も…アオハルですね。

得点が入れば、アオハル!

勝利のアオハル!

ディフェンス二人の突破を試みるアオハル!

シュートを試みるアオハル!

どうもアオハルってしっくりこないですね。やはり青春と言う言葉が一番。

生徒諸君は青春の2ページ分をしっかり刻んだであろう2日間、私にとっては青春の輝きまぶしい2日間でした。

コロナ禍の中工夫をして運営にあたった生徒諸君に敬意を表します。

溢れる

10月7日、県高校新人テニス大会に、県部会長代理として伺うことができました。本校男子団体が出場しているので少しの時間ですが、観戦。

写真では明るくとれていますが、急に気温が下がる天候の中、雨の中でプレーをしています。

雨樋から雨が溢れる中、気迫溢れるプレーが続きます。音声をお届けできないのが残念。雄叫びというのか、自分を鼓舞するように声を上げるのが、本校男子テニス部の闘志溢れる姿です。

県準優勝で東北選抜高校テニス大会の出場権を得ました。

顧問の先生に聞きました。「どのくらい雨が降ったら試合は中止になるのですか?」「コートの排水が追いつかず、コート面に水が溢れたら危険なので中止です。」「え?でも、コートってかなりしっかり暗渠排水してますよね。」「ええ、そうなので、たとえ土砂降りでも雨だけで中止になることはほぼありません。」

テニスって太陽溢れる避暑地のコートで笑顔さわやかに……、目の前でストイックにテニスを追求する選手諸君を見ながら、これまでの勝手な想像を雨樋から溢れ滴る雨水とともに排水溝へ流しました。

 

見定め

10月5日朝、本校駐車場にまたまたバスが続々と

過去の撮影の使い回しではありませんよ。今日は何事なのでしょう。

続々と乗り込む2学年の生徒たち。6クラスを7台バスに分け、「1日大学体験」と銘打って、本県、山形県、宮城県にある大学で様々なプログラムに参加してきます。

行ってらっしゃーい、自分の未来をしっかり見定めてくるんだよ~。

一方、同日午後の体育館。1年生が集合して

「地域課題についての講話」と銘打って、廃炉についての学びです。お話しいただくのは経済産業省に勤める本校OBの佐藤さん。高校時代は野球部だったそうです。

処理水による風評被害や放射線の人体影響について、本校生から鋭い質問が飛んでいました。また、本校OBなので、経済産業省での仕事や国の省庁に勤めるための道筋についても興味津々。

全体会終了後も、佐藤さんが準備をしたジオラマの前で、ぶら下がりでの質問が続きます。

原発にかかる本県の課題を見定めることができたでしょうか。

 

 

ぶち抜き

本校には、移動壁をしまうと大きなスペースが出現する構造があります。普段は壁で二つの会議室に区切って使っている場所も

こんな風に真ん中の壁を取り払うと、ぶち抜きの大空間が出現します。

放課後、このぶち抜き空間に3年生が続々と集まり(80名は超えているよう)受験対策指導を受けています。

タイトルは「合格する小論文とは」。小論文はこれまでも指導を受けてきていますが、今日はそれの総仕上げ講座です。高校生が実際に書いた小論文を呈示し、採点のポイントなどを詳述していきます。

ぶち抜き教室に80名。実に3年生の3分の1が小論文を利用する受験を考えているということです。大学は教科学力以外にも、小論文などの論述力・論理構成力などを重視してきているんですね。受験も社会趨勢に合わせどんどん変化しています。

3年生と一緒に講義を受けて、小論文の善し悪しは、まず、どんな具体例が呈示できるかが鍵になるなと思いました。添削された例を見ると個人的な体験や想いに論拠するため、論理展開や考察が卑近・矮小となり点数が伸びない。

社会的な視点をどれだけ培うか(事実を知っているだけでも違う)、個人をぶち抜いた社会的思考・社会的体験がますます重要になってきますね。

 

天気の子

県高等学校新人登山大会が猫魔ヶ岳・雄国沼山域で9月22日~24日に開催されました。私は23日~24日と観戦してきました。以前に書いたように(「18年ぶり(その1)」参照)同じコースを登り、選手の試合運び(登山行動)を見ることが登山大会の観戦です。

23日。天気は熱帯低気圧から発達した台風の影響で朝から少雨です。雨天行動技術を見るには絶好の天候。

雄子沢登山口から雄国沼に向かう途中の休憩。選手諸君は読図に余念がありません。

ちなみに、写真の地点は2万5千分の1地形図でAの地点です。行動中にBの地点で読図課題が出されました。1ミリ(実際の25メートル)ずれると正解とは見なされません。

雄国沼を通過中。小雨は続いています。

猫魔ヶ岳(標高1403.6m)の三角点ピーク。登山隊長は雨の中、無線の入るピークで待機し、隊全体の指揮を執ります。

三角点ピークと看板表示のあるピークが同じとは限りません。猫魔ヶ岳の看板ピークは三角点ピークから東に10メートルほどずれたところ(地図上では0.5ミリ)にあります。ずれた理由は展望でしょうね。猪苗代湖が見える休憩しやすい場所に看板が置かれています。山は「映える」ポイントが大事なんですね。

読図採点の様子。本校は1ミリ西にずれていたようで、「惜しいね~」とのこと。

装備チェックを受ける本校パーティ。仮にビバーク(不時露営)となっても1晩過ごせるだけの装備がザックには入っています。山に行くときには高校山岳部経験者がいると安心ですよ。

24日。閉会式。

昨夜から降り続く雨のため室内にて開催。技術委員長より、天気図作成や読図、装備等について指導を受けています。これから、各校の秋~冬の合宿で学んでほしいことが満載でした。来年の県大会で成長した姿を見るのが楽しみです。

閉会式後、とある高校の顧問(昔私が教えた選手)が近づいてきて、「中野先生が来るようになって、大会が雨模様なんですけど(笑)」と。そういえば、彼と登った山で雨具を使わなかった山行は数えるほどしかありません。「雨男ですよね、先生」。聞くと、私が観戦しなかった初日(22日)は、雨に遭わず行動できたそうです。

映画「天気の子」のヒロイン天野陽菜は「祈るだけで晴れにできる力を持つ少女」という設定ですが、私は「祈らずとも雨にできる力を持つ中高年」のようです。パワー的には彼女より数段上です。なんと言っても、祈らなくても雨になるんですから。

解散後、福島に戻る土湯の道で、みるみる回復していく空模様をみながら、「存在が雨」ってなに? そんな哲学めいた命題を考えていました(笑)。

3人4脚?

9月27日朝、本校昇降口に一台のバスが…

その脇を生徒は怪訝そうな顔で通過していきます。それもそのはず、今日は2学期中間考査2日目。バスに乗ってどこかへ出かける企画があるはずがない。

バスに乗るのは、保護者の皆さんと本校教員。これからPTA主催の大学訪問で、福島大学、会津大学を巡ります。

大学進学は保護者の皆さんの理解があって叶うもの。生徒、保護者、教員がしっかりスクラム組んで目指さなければなりません。3人4脚?いえいえ、肩さえ組めば、足は結ばない方が速いに決まってます。3人6脚でフットワーク軽く行きましょう。

いってらっしゃ~い(やはり生徒は怪訝そう)

具体的に説明しなさい。

「傍線部Aとはどういうことか、具体的に説明しなさい。」国語の記述問題によく出てくるフレーズですね。

さて、9月22日午後、一台のバスが駐車場で生徒の乗り込みを待っていました。

以前に、こちらで紹介した放射線教育(「ドラえもんとエヴァンゲリオン」参照)のフィールドワークとして、飯舘村長泥地区視察に向かうバスです。実際に農地造成盛土エリアを見学し、机上の学びと実際を具体的に関連づけることができたでしょうか。

一方、一年生の午後は

本校OBの高橋さん(上段:市役所勤務)と菊田さん(下段:県立医大病院勤務)のお二人をお招きして、「さまざまな職業人に聞く」と題して、公務員や放射線技師のお仕事の様子をうかがいました。なんと、お二人とも高校時代はサッカー部所属。校是「文武両道」を実践してきた先輩の具体的なお話に、興味津々です。

机上の学びを具体化していく、東高の実践です。

お豆腐

正面玄関の脇にす座り込んでいる生徒がいます。あれ?何をしてるのだろうと近寄ってみると

美術選択の生徒が、キャンバスに木炭でデッサンをしているところでした。遠近法大活躍の様子。

黒い枠のような物を手に持ち、しきりに覗いているので何かなと思ったら、デザインスケールという秘密兵器。私は高校時代美術選択でしたが、こんなのなかったなあ。あればもっと上手に描けたはず(ということにしておこう)。

スケール覗いて直線でビシビシ描けば、コンクリートでできている校舎は無機質で硬質な絵になりそうですが、この生徒の描く校舎は丸くて、柔らかいお豆腐のよう。逆に、絵を見てから校舎を見上げると、どことなく丸く見えてくる不思議な感覚。

この生徒にとって、学校は柔らかい居心地のいい場所なのか、はたまた、この生徒が柔らかい優しい心持ち主なのか。

そのどっちでもあってほしいなと思う昼下がりでした。

ドラえもんとエヴァンゲリオン

ドラえもんの動力源は胸あたりにある原子炉という設定だったと記憶しています。アトムは名前どおりお腹の原子炉が動力源です。小学生の頃読んだ科学雑誌には未来予想図が描かれていて、原子力自動車、原子力列車、原子力飛行機などなど、身の回りに原子力が溢れている世界が描かれていました。

原子力災害を身近に体験し現実を見せられると、あの雑誌の未来予想は実現不可能な物ばかりですね。原子炉を積んで誰もが運転できる乗り物はこの先生まれることはないでしょう。原子炉で動き続けるロボットよりは、アンビリカルケーブルが外れ内部電源で活動限界が5分のエヴァンゲリオンの方が、今となってはリアルです。

さて、夢物語ではない現実をしっかりと見つめるためにも放射線教育は欠かせません。

県立医科大教授の田巻先生、環境省から山口さん、それから放射線リスクコミュニケーション相談員の皆さんをお迎えして、様々な放射線や除去土壌について学びます。

医療で活用される放射線についての学び。

世界平均と比べると日本は医療被曝の値が多いことがわかります。

被爆にも様々な種類があり、それぞれ線量も違います。

(除去土壌に関する講義は、別の仕事が入り撮影できませんでした。私自身が興味があっただけに残念。)

次回は、フィールドワーク。生徒は、机上だけにとどまらない(活動限界のない)、アクティブな学びを実践しています。

真夏の果実

サザンオールスターズの歌う「真夏の果実」はもう手にすることもできない、遠く離れ会えなくなった想い人への悲しいラブバラードです。

さて、9月3~5日の日程で、第56回福島県高等学校新人体育大会テニス競技県北地区予選が行われました。

団体戦には男子チームがエントリー(写真奥が本校チーム)。

団体戦で優勝。男子個人戦は1位から6位まで本校選手が独占しました。夏の間、灼熱コートで練習に打ち込んで手に入れた「真夏の果実」は、サザンのそれとは違って、弾けるような明るい太陽の味がしたことでしょう。

一方、3年生は課外に明け暮れた「真夏の果実」を手に入れようと、駿台ベネッセ大学入学共通テスト模試に挑んでいます。

後の祭り

美空ひばりの「お祭りマンボ」に登場する近所のおじさんとおばさん。おじさんに近所が火事だと伝えてもわっしょいわっしょい、おばさんに留守宅を空き巣が狙っていると伝えてもわっしょいわっしょい。お祭り終わって日が暮れておじさんは家を焼かれ、おばさんはへそくりを盗られ、ため息ついても泣いても元には戻らない「♪あ~とのま~つ~り」となってしまいます。

さて、公開文化祭終了後、本校生だけで「後夜祭」が行われました。

まずは、借り物競走で幕開け。物を借りるのかと思ったら、「○年○組○○番の人」とか「かっこいい人」「好きな人」とか、人を連れてくる競争で盛り上がりました。考えたなあ~。

続いて、個人の仮装審査の結果発表。昔と違って購入できる衣装も多い中、手作り感のある仮装も選ばれています。

クラス企画審査では、受賞したクラスが飛び上がらんばかりの大喜び(写真は一人飛び上がってますね)。

ポスターなどのデザインコンペの優勝者にも賞状が渡されます。

なんと、校庭より打ち上げられる花火。しばしの間、文化祭の余韻にみんなで浸ります。

お祭りすんで、月曜日、3年教室。受験勉強にいそしむ生徒の姿。この教室いっぱいにジェットコースターが走っていたとは、とても信じられません。切り替え上手の本校生は「♪あ~とのま~つ~り」とはならないようですね。

公開文化祭

午前午後完全入替チケット制というシステムで運営された今回の公開文化祭。1000人弱のご来場者をいただいて、賑々しく開催することができました。

モグラたたきですね。ヘルメットをかぶって頭を出すのかと思ったら、ペットボトルを手で操作。安全です。

お客様に入場前のご説明。どうお話しすればよくわかってもらえるのか。接客も学びの場面です。

地球温暖化対策??で、人力によるメリーゴーラウンド。

人力担当は、まあ、こうなりますよね。持続可能かどうかは検討が必要のようです。

図書館企画。文化祭ですので、こういう落ち着いた企画もあります。

ステージ企画も盛況でした。バンドなどは普段見られない生徒の姿が垣間見えます。

屋外企画。各部が食品販売する出店(でみせ)が軒を連ねるところですが、コロナ感染対策のためゲーム等の企画になりました。

詳しい様子は、生徒会のコーナーにアップされるはず??

仮装行列

(公開日は午前午後完全入替チケット制となっています。同伴されるお子様などご家族にも一人一枚のチケットが必要となっておりますので、ご注意ください。)

文化祭公開前日のお楽しみと言えば「仮装行列」ですね。様々に扮装して町を練り歩き、駅前のちょっとして広場で簡単なパフォーマンスをする。明日から公開文化祭ですよと町の人たちに知らせる役目もあったと思います。

高校時代の記憶をたどると、Sandro Botticelliの描いた「ヴィーナスの誕生( La Nascita di Venere)」を立体的に再現して、ユニセックスな雰囲気を持っていたK君をヴィーナスに仕上げ、貝を模したリヤカーに乗せて歩いたような気がします。ヴィーナスのK君を見て、女子校生が嬌声を上げ「うわ~きれい」とざわめいていたことを覚えています。

学校に戻る頃は、貝の装飾はなくなって、お化粧上手のさすがのK君もヴィーナスを維持できず。「リアカーの何者???」って感じでした。最後まで形を維持する作り込みも文化祭伝承技術のひとつだったと思います。

時代は下って

今や、コロナ禍で駅前などに衆人とはいかないため、仮装行列を敢行する学校はないのではないでしょうか。本校生徒会・文実も早々に仮装行列はあきらめ、クラスパフォーマンスで企画を進めていました。

行列しないとなるとダンスパフォーマンスが中心となりますね。

全員スカートですが、もちろん男子生徒が含まれています。男子生徒の女装は昔から変わらない定番の演出です。

衣装も凝っています。いわゆる特攻服。あくまでも仮装ですからね。リアルにこれを着てくる生徒はいませんよ。

右から二番目の生徒のはじけ方が、文化祭の盛り上がりを物語っていますね。

本校HPには生徒会のコーナーもありますから、そのうち特集も組まれるでしょう。ネタがなくならないようにこの辺でしまいにしましょう。

まあ、みんなダンスうまいねえ。シブがき隊レベルでは太刀打ちできません。

ジャニーズ・カフェ~文化祭での学び~

今週末、9月3日は4年ぶりの公開文化祭です。3年1回の公開が原則ですが、コロナ禍で1年延期しての開催となります。感染予防のため、午前午後完全入替チケット制となっています。同伴されるお子様などご家族にも一人一枚のチケットが必要となっておりますので、ご注意ください。

廊下にこんなものが。今はもっと形になっています。

本校の校訓の「協調」と「創造」。友達といろいろ相談しながら、企画を進め創り上げていくこの様子は、校訓そのもの。文化祭での「協働」には、高校生活での大切な学びがあります。

なにやら、教室の作り込みのアイデアのようです。あまり撮影するとネタバレになるので、公開当日のお楽しみとしましょう。

閑話休題

 私が高3の時の文化祭は公開でした。クラス企画は「ジャニーズ・カフェ」。田原俊彦、近藤真彦、シブがき隊などのショーと、ケーキ(+ジュース)を販売するカフェです(当時は教室内食品販売の規制がゆるかったんでしょうね)。旧男子校文化祭の客層はほとんどが女子なので、ショーとカフェの二本立てで、相当な集客が見込まれます。カフェ班は大量のケーキを発注。ショー班もさらなる集客のためジャニーズを完コピ。

完全無欠の企画(ケーキを200円で仕入れ250円で売る儲け話)のはずでした。

 文化祭当日、完コピショー班の集客はすさまじく、押すな押すなの大盛況、立ち見もでてラッシュアワー並の混雑です。ところが、カフェ班が振るいません。30分ほどのショータイムの間は満席ですが、席数分のケーキしか売れないうえ、食べ終わってもショーの間は離席しない。紙皿に出すケーキを立ち見のお客さんは注文しない。ケーキ目的の来客は少なく、ショー以外の時間は閑古鳥が鳴いています。お客の回転があまりにも悪い。

気がついたときには、もうすでに後の祭り。

 みんなで出資し発注したケーキが大量に売れ残っています(本来ならケーキ1つに50円の利益が乗り、経費を抜いて出資額に上乗せされて戻ってくるはずだった)。しかたない、売れた利益は現金でもらい、売れ残りケーキを現物でもらう(現物で200円分回収)しかないねと思って、部活の出店もあったのでクラスを離れました。

で、戻ってみると

 なんとケーキがほとんどなくなっています。現物支給よりは、薄い利益でも現金化するのに越したことはありません。「で、いくらで売ったの?」「230円にしたけど売れなくてさ」「うんうん」「200円にしたら少し売れたので」「『ので』って、原価だぞ」「最後は100円にしたらあっという間」「……おいおい」
 100円で売ると100円の赤字です。正規に売った2個分の利益がどんどん失われていく計算です。結局のところ、ジュース代や紙皿、紙コップなどの必要経費を引くと、マイナスの追加徴収。儲かるはずが出資金も戻らないうえに持ち出しとなりました。

文化祭で学んだこと 1 商売は甘くない。 2 儲け話には気をつけろ。